研究概要 |
テトラメチルエチレンジアミンと塩化銅(I)から容易に調製される錯体1が、酵素雰囲気下,ナフトールの酸化的カプリングに極めて有用であることを見いだした。触媒はわずか1mol%あれば十分であること,酸化剤として安価で安全な酵素、ひいては空気を利用できること、電子求引基を有す不活性な基質でもカプリングできること等、多くの利点を持つため、本反応はビナフトール誘導体の一般的合成法として活用できる。さらに、アミンとして光学活性な2を用いると、72%eeという高い不斉収率で不斉酸化が進行した。ナフトールの酸化的カプリングとしては文献上知られる最高の選択性を実現し、光学活性ビナフチル化合物の高効率合成の新手法を開拓した。
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