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1994 年度 実績報告書

マイクロダイアリシスシステムを用いた薬物のin vivo経皮吸収に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06857183
研究機関長崎大学

研究代表者

中嶋 幹郎  長崎大学, 医学部, 助手 (00260737)

キーワードマイクロダイアリシス / シクロスポリン / 経皮吸収 / 吸収促進剤
研究概要

本研究の目的は,免疫抑制薬シクロスポリン(CYA)を経皮適用した場合の皮膚内でのCYA吸収動態を,皮膚内CYA濃度を直接測定することができるマイクロダイアリシス法によってin vivoで検討することである.難治性乾癬治療薬としてのCYAの経皮吸収製剤の臨床的有用性が示唆されているが,CYAの経皮吸収動態が明かとなれば,経皮吸収製剤の処方設計のため有益な知見が得られるものと期待される.実験には,透析膜の長さが10mmの透析プローブを用い,リンゲル液を潅流液として流速2.5μl/minで微小潅流した.まず,in vitroでマイクロダイアリシスを行った場合の透析プローブからのCYA回収率を求めたところ,200〜2000ng/mlの濃度範囲では20%と一定した値を示した.次に,動物用体温コントロール装置によりラットの体温を37℃に保ちながら動物実験を行った.まず,CYAの経皮吸収性を0.5〜8%CYA溶液を用いて検討したところ,皮膚透析液中のCYA濃度の上昇は,経皮適用したCYA溶液の濃度に比例する濃度依存性を示した.そこで,0.5〜8%CYA溶液において,吸収促進剤HPE-101の併用効果を3%以下のHPE-101添加濃度で検討したところ,いずれの場合も有意なCYAの経皮吸収改善効果は認められなかった.しかし,HPE-101の添加濃度を10%まで上昇させるとCYAの経皮吸収改善効果が認められた.また,真皮層を上,中,下層と区別したカニュレーションを行う計画に関しては,実験手技上困難で実現できなかった.今回,CYAの経皮吸収動態を吸収促進剤HPE-101の適当な濃度の併用では十分に制御することができなかった.今後は,他の吸収促進剤の併用,エタノールの併用等,実用可能な処方を工夫し,最も効率的なCYAの経皮吸収製剤の処方設計について,本法を用いて検討していく予定である.

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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