研究課題
18年度においては、主として以下のように研究を進めた。エスペセ氏は、『太平経』のさまざまな言説を分析し、漢帝国以前の天啓の開示方法が特別な動物やそこに記された図像に対する異能者の解釈を介して間接的に行われたのに対して、『太平経』では、「天師」から弟子への直接の説教を通じて示される構造になっていること、つまり、天意が直接人を介して人間の言葉で開示される構造に転換してきたことを具体的に明らかにし、非正統的文献資料に見える言説とイデオロギーの構造、後漢帝国の知の枠組みあるいは認識論の転換の諸相を究明した。その成果は、12月にフランス、パリで行われた国際シンポジウムで発表した。受け入れ研究者は、上清派道教内における、『太平経』継承の痕跡を上清派道経群の分析を通じて具体的に明らかにするとともに、後漢から六朝時期の道教教理の展開の中で、『太平経』の提示した諸概念がどのように受容されていったか、また、仏教との交渉の過程でどのように変容していったのかを重点的に研究した。
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中國宗教文獻研究
ページ: 337-354
Proceedings of the International Conference "Rituals, pantheoons and techniques : A history of Chinese
ページ: 450-475