上記「6.研究課題名」欄記載の2つの研究課題について、研究代表者・藤田教授との共同により、また、同教授の指導の下、研究を進め、Dawsonは以下の研究成果を発表した。 1.日本の中学校における公民教育及び政治的社会化に関して、理論的研究を進め、その成果を"Mythologies of education"と題する論文としてまとめ、雑誌『教育研究Educational Studies』に寄稿した(印刷中)。この論文は、政治的社会化の諸要因を解釈的アプローチにより検討し、その理論化を試みたものである。 2.二言語使用能力(特に言語的・文化社会的少数民族の主流言語によるコミュニケーション能力)と社会構造・市場経済との関連について、カンボジアでフィールド・ワークを行い、その成果を"Indigenous Highlanders and "Oralcy" in the Ban Leung Market : AMicro-Discourse Analysis of Market Power in a Cambodian Province"と題する論文としてまとめ、『社会科学研究(The Journal of Social Science)』に寄稿した(掲載済み)。この論文は、社会言語学的アプローチにより、カンボジアにおける言語的・文化的少数民族の主流言語(クメール語)によるコミュニケーション能力と経済的な力関係との関連を分析したものである。 3.発展途上国におけるマルチリンガル教育に関する書評論文"Book Review of 'Imagining Multilingual Schools : Languages in Education and Glocalization'"をジャーナル『Working Papers in TESOL and Applied Linguistics』に寄稿した(印刷中)。 4.以上の他に、以下の学会発表とフィールド・ワークその他の調査研究活動を行った。 ・CIES (Comparative and International Education Society)の年次大会(ボルチモア)で、日本の公民教育及びカンボジアの言語的少数民族の主流言語コミュニケーション能力とその経済社会的意味について発表した。 ・アトランタのEmory大学、ニューヨークのコロンビア大学(ティーチャズカレッジ)等の研究者へのインタビュー、ベトナムでのフィールド・ワーク、日本の学校での観察調査などを行った。
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