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2006 年度 実績報告書

水溶性タンパク質と界面活性剤およびリン脂質との相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 06F06066
研究機関大阪市立大学

研究代表者

田中 礼二  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授

研究分担者 SEHGAL Pankaj  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
キーワードタンパク質 / 界面活性剤 / 変性 / 高次構造変化 / molten globule / BSA / α-LA
研究概要

タンパク質の変性過程の中間状態、Molten Globuleが注目され盛んに研究されている。本研究では、代表的な球状タンパク質Bovine Serum Albumin (BSA)の両性界面活性剤Dimethyldodecylammoniopropane Sulfonate (DPS)および陰イオン界面活性剤Sodium Dodecylsulfate (SDS)との相互作用による変性過程を詳細に調べた。遠紫外領域の円偏光2色性(CD)スペクトルは、α-helix構造に特徴的な2つのピーク(208nmと222nmの極小値)を示し、界面活性剤濃度の増加とともに、ピークの高さは減少した。それらの楕円率の比θ_<222>/θ_<208>も界面活性剤濃度の増加とともに減少した。これらの結果は、界面活性剤によるα-helix構造の減少とα-helix間の相互作用の減少(3次構造のunfolding)を意味する。近紫外のCDスペクトルからも3次構造のunfoldingが示唆された。また、これらの構造変化はDPSよりSDSのほうがより低濃度で起こった。その他、トリプトファン蛍光光度測定や8-anilino-1-naphtahlene sulfonic acid (ANS)蛍光光度測定などを行った。これらの測定より、SDSはタンパク質の表面でヘミミセルを形成していることが分かった。ヘミミセルの性質を調べるために、ピレンをプロープとした蛍光光度測定を計画している。一方、温度をスキャンして楕円率の変化を追跡した。すべての系で、1ステップの構造変化が観測され、変化の中点温度(T_m)を決定し、T_mの界面活性剤濃度依存性を調べた。その結果、DPSはBSAの熱変性を殆ど促進しないが、SDSはBSAを不安定化しSDS濃度に比例してT_mは減少した。
次に、α-lactalbumin (α-LA)の陽イオン界面活性剤Dodecyltrimethylammonium^+ (DTA^+), Tetradecyltrimethylammonium^+ (TTA^+), Hexadecyltrimethylammonium^+ (HTA^+)によるunfoldingについて研究した。この系では、いくつかの段階を経てunfoldingしていることが分かった。現在、それらの段階について詳細な検討を加えている。また、複数の界面活性剤混合系におけるタンパク質の挙動が非常に興味深いので、その基礎的研究として混合ミセルの研究も行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Mixed Monolayer and Micelle Formation of Cationic and Zwitterionic Surfactant of Identical Hydrocarbon Tail in an aqueous medium : Interfacial Tension, Fluorescence Probe, Dynamic Light Scattering and Viscosity Studies2007

    • 著者名/発表者名
      Pankaj Sehgal
    • 雑誌名

      J.Dispersion Science Technology 29.3

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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