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2006 年度 実績報告書

非共有結合を介した超分子らせん複合体の創製と応用

研究課題

研究課題/領域番号 06F06079
研究機関名古屋大学

研究代表者

八島 栄次  名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授

研究分担者 HUANG Xin  名古屋大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
キーワードらせん / ポリフェニルアセチレン / 光学活性 / Langmuir-Blodgett膜 / 円二色性 / 高分子
研究概要

我々は、側鎖に長鎖アルキル基を有する光学活性ヘリカルポリフェニルアセチレン誘導体(poly-1)を、有機溶媒の蒸気を利用して2次元結晶化させることで、原子間力顕微鏡によるらせん構造の高倍観察が可能になることを見い出し、らせんの周期や向きを直接観察できることを示している。さらに、このポリマーのTHF溶液から作成された2次元結晶中のらせん構造が、ベンゼン飽和蒸気下で反転し、ベンゼン溶液から作成された場合と同じ2次元結晶構造へと転移することも見い出している。以上の背景を踏まえ、本研究では、poly-1のLangmuir-Blodgett(LB)膜を作成し、溶媒蒸気を用いてLB膜中のポリマーのらせんキラリティーを制御可能かどうかについて検討した。
Poly-1は、クロロホルム中、一方向巻きのらせん構造に由来する円二色性(CD)スペクトルを示した。一方、四塩化炭素中においてもCDを示したが、そのパターンはクロロホルム中とほぼ鏡像関係となった。これは、クロロホルム中と四塩化炭素中でpoly-1のらせんの向きが逆向きであることを示している。次に、poly-1のLB膜を、ポリマーのクロロホルム溶液を水面上に展開した後、基板上に積層させることにより調製した。得られたLB膜は、クロロホルム中と類似のCDスペクトルを示した。興味深いことに,このLB膜を四塩化炭素の飽和蒸気下に置くとCDのパターンは反転し、四塩化炭素中のCDと同様のパターンへと変化した。以上の結果は、LB膜中のpoly-1のらせんの向きが、溶媒蒸気により制御可能であることを示している。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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