研究課題/領域番号 |
06F06113
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
平松 和政 三重大学, 大学院・工学研究科, 教授
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研究分担者 |
LI D 三重大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | A1N / 無極性 / MOVPE / フォトルミネッセンス / 光学的性質 / GaN / シリコンドーピング |
研究概要 |
HVPE法により作製したA1N単結晶基板上に高性能な深紫外LED(波長280〜340nm)を実現することを目的として、今年度は極性及び無極性A1NのMOVPE成長と無極性SiドープGaNの光学的特性評価を行った。 高温でのA1Nの成長を行う前に、A1N中間層を導入することにより表面の平坦性に優れたA1N成長僧を得ることができた。原子間力顕微鏡による表面粗さの測定において中間層がある場合とない場合での表面粗さはそれぞれ0.84nmと13.4nmであった。さらにKOH溶液によるエッチングを行ったところ、中間層を含んだA1Nではエソチングされないのに対して、中間層を含まないA1Nではエッチングされた。これは、中間層を含んだA1Nでは表面がAlのポラリティを有しているのに対して、中間層を含んでいないA1NではNのポラリティまたはAlとNの混合ポラリティを有しているためであると考えられる。 無極性SiドープGaNの光学的特性評価では、厚さ2μmのa面GaNのフォトルミネッセンス測定を行った。フォトルミネセンス測定により3.487eV、3.440eVなどの発光ピークが観測された。3.487eVのピークはGaNのバンド間発光のピークである。一方、3.440eVのピークはDAペア発光か積層欠陥による発光ピークの可能性が考えられるが、ブルーシフトがなかったことやフォトルミネッセンスの温度依存性の測定から、このピークは積層欠陥に起因するピークであることが明らかになった。 これらの研究成果を通し、A1N単結晶基板上に高性能な深紫外LEDを実現するための基礎的な検討を行うことができた。
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