研究概要 |
本研究では,Preconditioned CG-FFT及びPreconditioned Multipole法を改良し,1万素子規模のアレーアンテナの電磁特性を高精度に解析し,さらに,数百万規模のアレーアンテナの電磁特性を近似的な解析手法を提案することにより,宇宙太陽発電衛星(SPS : Solar Power Satellite)システムにおける大規模アレーアンテナを設計するための数値シミュレーションを可能にすることを目的として,以下の研究成果を上げている. 1.これまで提案してきたGrouping techniqueや,Overlapped grouping technique,およびMultiayerの手法をCG-FFT法に適応し,従来の計算法より遥かに計算量の少ない数値計算アルゴリズム(Preconditioned CG-FFT)を検討し,新たな解析手法を開発した.本手法を1万素子規模のアレーアンテナの電磁特性に適用した結果,解析精度も高く,計算時間も大幅に短縮されたことがわかった.その研究成果が学会論文誌に掲載され,国際会議でも発表された. 2.100万素子の超大規模のアレーアンテナの電磁界解析を実現するために,小規模のアレーアンテナの電流分布から超大規模のアレーアンテナの電流分布を推定する電流分布拡張法を提案した.本手法を用いて,等位相・等振幅給電の様々なアレー構造に対し,電磁界解析を行い,その結果と厳密界と比較した.その結果,本手法の有効性及び適用条件を明らかにした.また,非均一分布の給電を行う場合のアレー構造対する解析法は,今後の課題となっている.
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