1)タルウマゴヤシ58エコタイプとMedicago littoralis 33エコタイプにクローバ葉脈黄化ウイルスを汁液接種すると、モザイクからえそ反応が観察された。しかし過敏感反応細胞死をともなったウイルスの局在化による抵抗性反応は観察されなかった.Medicago littoralisのエコタイプHarbingerで最も激しい過敏感細胞死様のえそを観察した.これは抵抗性反応が不完全で過敏感反応細胞死が全身に広がったと思われた.この仮説が正しいと抵抗性遺伝子(R gene)が原因遺伝子なので、このマッピングのためにモザイク病徴を出す品種と交配を試みたが、予想外に困難で交配種子を得ることが出来なかった. 2)タルウマゴヤシの接種区と非接種区から抵抗性遺伝子アナログ(RGA)の単離を試た。抵抗性遺伝子のNBSのドメインは抵抗性遺伝子間でよく保存されている.そこでこの領域にPCRプライマーを設計して、RGAの単離を試みた.その結果、約500のDNAクローンの塩基配列を決定した.今後これらのクローンからエンドウのマッピングとタルウマゴヤシのマイクロシンテニーからRGAの候補遺伝子の絞り込みを行う.このために、エンドウにおけるRGAのマッピングを進める必要がある. 3)エンドウPI343958とPI226564のRILを用いたマッピングから、えそ誘導因子と数センチモルガンでリンクしているAD174SSRマーカーをみつけた.さらに、予想に反してRILの応答は、えそとモザイクの分離に加えて、両者の中間的な病徴を示す系統が存在した.これは、RGAの1因子によるえそ誘導に加えて、さらに別の因子を想定することを意味した.また現在はマッピング用の分子マーカーを開発しており、7つのリンケージグループに対して現在24のSSRマーカーを得て、マッピングをおこなっている.
|