研究概要 |
近年急速に患者数が増加している慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease : COPD)に対する再生医療を開発することが,本研究の目的である.我々は,骨髄由来幹細胞,hepatocyte growth factor(HGF),all-trans retinoic acid, granulocyte-colony stimulating factor等を用いた気腫肺再生医療に関する研究を進めてきた(J Immunol 2004;172:1266-1272;FEBS Lett 2004;556:249-252;Biochem Biophys Res Commun 2004;324:276-280).これらの研究をさらに発展させ,HGFの臨床応用へ向けた検討を大阪大学分子組織再生分野中村敏一教授と共同で進めている.今年度は,臨床へ応用可能なHGFの吸入療法が,全身投与同様気腫肺の改善をもたらすかを検討した.その結果,吸入療法でも充分な気腫病変の改善効果が得られることが明らかとなった.また,以前の研究では検討されなかった肺機能も,HGF吸入療法で改善されることが明らかとなり,これらの成果を,現在Am J Respir Cell Mol Biolに投稿中である.
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