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2007 年度 実績報告書

ダウン症候群に伴う白血病発症の原因遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 06F06253
研究機関弘前大学

研究代表者

伊藤 悦朗  弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授

研究分担者 XU Gang  弘前大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
キーワードダウン症候群 / 急性巨核球性白血病 / TMD / GATA1 / JAK3 / KIT
研究概要

本年度は、ダウン症の白血病発症の仕組みを分子レベルで明らかにするために研究を進め、以下の点について明らかにした。
1.GATA1変異による白血病発症の仕組みを明らかにするために、正常および変異GATA1とエストロゲン受容体とのキメラ分子をSCF依存性DS-AMKL細胞株に遺伝子導入し、タモキシフェンでGATA1活性誘導後の増殖能を解析した。正常および変異GATA1もともにKITの発現量と細胞増殖を抑制したが、標的遺伝子の制御能力に差が認められた。
2.TMD細胞およびSCF依存性DS-AMKL細胞株を用いて、SCF/KITシグナル伝達系がダウン症の白血病発症に重要な役割を果たしていることを見出した。また、SCF/KITの下流のシグナルとして、DS-AMKLではRAS/MAPKとPI3K/AKTシグナルが重要であることを見出した。
3.TMDからAMKLに進展する時に加わる遺伝子変異の検索のためにJAK3変異を解析した。その結果、3株のDS-AMKL細胞株中2株でJAK3遺伝子変異が認められた。DS-AMKLでも12例中1例のJAK3変異がみられ、TMDでも12例中1例にJAK3の変異が認められた。DS-AMKL細胞株MGSでは同一のアレルのSH2ドメインとpsuedokinaseドメインにミスセンス変異が存在し、TMDでは受容体結合ドメインにミスセンス変異が存在した。IL-3依存性細胞株Ba/F3にレトロウイルスベクターを用いて変異JAK3を発現させたところ、IL-3非依存性増殖やSTAT5の持続的リン酸化が認められ活性化変異であることが明らかとなった。さらにDS-AMKLでもTMDとほぼ同頻度でJAK3変異が見出されることから、JAK3変異はTMDからAMKLに進展する時に起る変化ではなく、白血病発症の初期に起ることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Functional analysis of JAK3 mutations in transient myeloproliferative disorder and acute megakaryoblastic leukemia accompanying Down Syndrome2008

    • 著者名/発表者名
      Sato T, Toki T, Kanezaki R, Gang Xu G, Kiminori Terui K, Kanegane H, Miura M, Adachi S, Migita M, Morinaga S, Nakano T, Endo M, Kojima S, Kiyoi H, Mano H, Ito E.
    • 雑誌名

      Brit J Haematol 141

      ページ: 681-688

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distinct clones are associated with the development of transient myeloproliferative disorder and acute megakaryocytic leukemia in a patient with Down syndrom.2007

    • 著者名/発表者名
      Kanegane H, Watanabe S, Nomura K, Xu G, Ito E, Miyawaki T.
    • 雑誌名

      Int J Hematol 86

      ページ: 250-252

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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