研究課題/領域番号 |
06F06340
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
青木 百合子 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 教授
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研究分担者 |
CHEN Wei 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 外国人特別研究員
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キーワード | Elongation法 / 非経験的分子軌道計算 / 電荷移動高分子 / NLO特性 / ポリジアセチレン / ラダー高分子 |
研究概要 |
現在当グループで開発しているGAMESS-Elongation法の信頼性を確かめるために、ポリジアセチレン(PDA)と2種類の側鎖をもつPDA誘導体の非線形光学(NLO)特性を計算した。側鎖として-NH2を側鎖にもつ部分のユニット数(n)と-NO2を側鎖にもつユニット(m)においてn=m=1およびn=m=2の場合に対して計算し、従来のGAMESSと10^<-8>Hartree/atomのオーダーで全エネルギーが一致することを確かめた。次に、Finite-Field法による(超)分極率α、β、γにおいてGAMESS-Elongation法と従来のGAMESSで比較したところ、電場に対する高次の微分であるにも関わらず良好な一致をみた。 次に、PDA2本鎖によるラダー高分子に対しても同様の計算を行った。まずGaussin O 3による周期境界条件を用いたPBC計算により構造最適化を行い、中心部の構造をそのままElongation法による高分子鎖の計算のための構造とした。エネルギーにおける誤差は、7個のユニットを出発クラスターとして伸長した場合、一本鎖の場合と同様、〜10^<-8>Hartree/atomで与えられることを確認した。さらに、PDAの側鎖としてドナーとアクセプターの側鎖が交互に向き合った電荷移動型の高分子2本鎖についてもGAMESS-Elongation法によって計算し、ドナー側鎖とアクセプター側鎖の間の電荷移動量とNLO特性の関連を調べている。規則性のみならず、ドナー側鎖とアクセプター側鎖がランダムに入った場合、ブロックポリマー型の場合なども計算し、高分子側鎖の規則性と不規則性の関係やNLO特性の関係を軌道相互作用の立場から解析を試みているところである。
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