研究概要 |
1,3-ジケトンやβ-ケトエステルなどの活性メチレン化合物のアリル化反応として、パラジウム触媒によるπ-アリルパラジウム中間体を経由する辻-Trost反応が知られている。この反応は一般的に塩基を添加する必要がある。レニウム触媒[ReBr(CO)_3(thf)]2を用いると、共触媒や配位子、塩基の添加なしに、β-ケトエステルのアリル化が良好な収率で進行することを見いだした。β-ケトエステルより酸性度が低い1,3-ジエステルを用いた場合でも収率よく反応が進行した。 また、活性化されていない末端アルキンをレニウム触媒Re_2(CO)_10存在下に、アミドであるピロリジノンを加え115℃に加熱すると、アセチレンのアンチMarkovnikov型でのヒドロアミノ化が進行し、(E)-エナミドが生成することを見いだした。現在、段階的な反応を検討している。
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