研究概要 |
本研究の目的は結晶性ポリマー/非晶性ポリマーブレンドの融解状態からの結晶性ポリマー成分のエピタキシャル結晶化を利用して、長距離に渡り均一なパターンが規則的に配置した長距離秩序を持つナノ構造パターンを形成させる方法を確立することである。昨年度の予備的研究の結果に基づいて選択したポリ(L-ラクチド)、ポリ(コハク酸ブチレン)、ポリ(3-ヒドロキシプロピオン酸)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸),ポリ(アジピン酸ブチレン)の5種の脂肪族ポリエステルについて昨年度に引き続き結晶化挙動を示差走査熱量計、X線回折法、赤外分光法などを用いて解析した。さらに新たにこれら脂肪族ポリエステルとポリエチレンオキシド、ポリビニルフェノール、ポリ(D,L-ラクチド)、ジチオフェノール、などとの間の相溶性ブレンドの結晶化挙動、これらポリエステルと安息香酸、ヘキサメチルベンゼン、アントラセン、ターフェニル、1,3,5-トリクロロベンゼンなどの低分子量有機溶媒の間の混合物のeutectic結晶化挙動を解析した。また低分子量有機溶媒上での脂肪族ポリエステルとこれらの間の相溶性ブレンドのエピタキシャル結晶化挙動について予備的検討を行なった。安息香酸担体上でポリ(コハク酸ブチレン)、ポリ(3-ヒドロキシプロピオン酸)及びポリ(アジピン酸ブチレン)が、またヘキサメチルベンゼン担体上でポリ(L-ラクチド)がエピタキシャル結晶化する可能性を見出した。
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