本共同研究では、オープンネットワーク環境におけるクライアントやデータの移動を考慮した位置依存型情報提供サービスの高度化に関する研究開発を行う。特に、本研究では2種類の時間的な「移動」を同時に考慮する。一つは、データを利用する利用者やクライアントの移動であり、もう一つは、データそのものの移動やネットワーク上のフローである。 今年度は、時々刻々と位置が変化する多数の移動体が存在する環境を想定し、移動体検索を効率的に支援するための空間索引の構成法について中心的に検討を行った。具体的には、最初に関連研究の調査を行い既存手法の問題点を検討した。さらに、逐次到着する新規の位置情報を既存の位置情報に対する更新操作とみなし、それらの更新処理と空間検索処理を効率的に処理可能な索引構造の設計を行った。 具体的研究項目は以下の通り。 (1)主記憶と二次記憶を有機的に組み合わせた索引構造の設計 (2)上記索引に対する空間検索や更新処理アルゴリズムの設計 (3)同時並行処理機構の基本設計 (4)回復処理機構の基本設計 今後、より詳細部分の設計、プログラム実装、既存手法との比較評価等を進める予定である。
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