研究概要 |
金属・半導体のナノ粒子やナノ細線(ナノオブジェクト)は、共鳴プラズモン効果により光エネルギーを局在化させる特異な空間となる。この光局在場による高効率光子制御を実現し、光エレクトロニクスデバイスの構成要素として応用するためには、固体基板上へナノオブジェクトを正確な空間精度で意図したパターン形状で精密に配置することが必要不可欠である。.そのため、リソグラフィ技術によって基板表面に設計図を描き、設計図上に自動的にナノオブジェクトを集積化するプログラムされたボトムアップナノプロセスの開発を進めている。 本研究の目的は、最終目標実現へ向けた要素技術開発である。まず、光リソグラフィ,ナノプローブ加工,および自己集積化分子膜成長等の微細加工技術を駆使し、化学的反応性を制御したマイクロメートルーナノメートルレベルの微細パターンを形成する。この微細パターンをテンプレートに、ナノオブジェクトとの物理的・化学的分子間相互作用を駆動力に、ナノオブジェクトを精密配置するプロセスを開発する。 本年度は、ナノオブジェクトを固定化・配列化するためのテンプレートとなる微細構造化基板を、リソグラフィ技術と分子自己集積化により作製する微細加工プロセス技術を研究する。基板としてITO被覆ガラスを用いた。ITO基板へのアミノシラン単分子膜被覆、その2次元パターニング(波長172nmのエキシマランプ光を用いる光微細加工技術を用いた。)、パターン化基板への金ナノ粒子集積に関する実験を行った。アミノシラン単分子膜の形成とそのマイクロパターニングについては、ほぼ技術確立した。金ナノ粒子集積については、原理確認に成功した。技術的に完成させるためには、今後、各条件下での集積状態について知見を集める必要がある。
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