研究課題/領域番号 |
06F06411
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
池田 忠繁 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授
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研究分担者 |
SAMIKKANNU Raja 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 振動制御 / 空力弾性 / 多機能構造 / 圧電材料 / 形状記憶合金 / 複合材料 / スマート構造物 / 有限要素法 |
研究概要 |
(1)ハイブリッド駆動される構造物における振動制御 ・圧電ファイバを、電極を配した樹脂フィルムでパックした圧電ファイバコンポジット(FC)において、剪断モードで変形する新しい形態(SAFC)を提案した。圧電ファイバ、樹脂、電極などを考慮した解析モデルを有限要素法により作成し、ファイバの厚さ、体積分率、配向角による、SAFCの電気-機械的特性の変化を数値解析により調べ、最適設計点を見つけた。この成果は、論文誌に掲載が決定した。 ・SAFCを複合材料に積層した板の動的特性を調べた。計算モデルは、従来の伸縮モードで変形するFCを接着した梁の変形に関して、実験結果と比較しその妥当性を確認した。SAFCの積層板と従来のFCの積層板を比較した結果、形状制御、振動制御などの使用状況に応じて両者を使い分けるのが効果的であることが分かった。この成果は論文誌に投稿し、査読中である。 ・圧電材料の接着が一部剥がれた構造物の変形性能に関し、座屈後の変形が調べられるよう大たわみ理論に基づく非線形解析を行った。座屈が生じなければ、接着の剥がれは静的な変形性能に影響しないが、座屈が生ずると性能が著しく低下する可能性があることを示した。また、昨年度行った線形解析で用いた座屈後の仮定が妥当であることを示した。この成果は平成20年度に投稿する予定である。 ・形状記憶合金のモデルの導入について検討した。複合材料への応用は、帰国後に引き続き行う。 (2)ハイブリッド駆動される翼構造物におけるフラッタ制御 ・提案したSAFCのフラッタ制御への有効性を検討した。受入研究者の研究室で提案された空気力モデルの有限要素モデルへの導入などは、帰国後も引き続き研究を行う。 ここで提案したSAFCやその解析ツールの構築は、環境・エネルギ問題を考慮した将来の飛行機、自動車などの構造設計に有望と考える。
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