研究課題/領域番号 |
06F06445
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田谷 一善 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授
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研究分担者 |
WENG Qiang 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 外国人特別研究員
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キーワード | モンゴル野生馬 / 繁殖 / 卵巣 / ステロイドホルモン / インヒビン / 卵胞刺激ホルモン / 黄体形成ホルモン / 副腎 |
研究概要 |
モンゴル野生馬の繁殖特性を解明する目的で、胎子期および新生子期の家畜馬の性腺(卵巣・精巣)および副腎の機能について研究を実施し、以下の結果を得た。 (1)胎子期には200-250日令をピークとして、胎子性腺(卵巣と精巣)が肥大し、ピーク時には、母親の卵巣よりも大きく肥大する現象が認められるが、出生時期(340日令)には、ピーク時の10分の1程度にまで縮小するダイナミックな変化が確認された。出生後は、6ケ月令まで性腺はゆっくりとサイズを減少する事実が明らかとなった。雌雄共に血中ステロイドホルモン(プロジェステロン、テストステロン、エストラジオール)濃度は出生後2日以内に基底値に低下したが、インヒビン濃度は、ゆっくりと低下して出生後100日前後に基底値まで低下した。組織学的検索を行った結果、胎子卵巣と精巣の間質細胞が増殖肥大し、肥大した間質細胞にインヒビンα、βAおよびβB鎖の局在が確認された。以上の結果から、ステロイドホルモンの分泌に関しては胎子・胎盤ユニットの協同作用が重要であり、分娩と共にこの胎子・胎盤ユニットが破壊されることから、ステロイドホルモン分泌は直ちに低下するが、インヒビンは胎子の性腺の主として間質細胞から分泌されるために、性腺の委縮に伴ってゆっくりと低下するものと推察された。 (2)胎子期の副腎皮質細胞には、インヒビンβB鎖の局在が認められα鎖とβA鎖は認められなかった。また、馬胎子副腎には、P450scc、P450c17およびアロマターゼか検出されたが、3βHSDは検「出されなかった。以上の結果から、馬胎子副腎は、ステロイドホルモン分泌能を有していること、およびアクチビンβを分泌するが、インヒビンは分泌しないものと推察された。
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