研究課題/領域番号 |
06F06555
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
板東 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, グループリーダー
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研究分担者 |
FANG Xiaosheng 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノスケール物質センター, 外国人特別研究員
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キーワード | 硫化亜鉛 / ナノベルト / ヘテロ構造体 / 紫外線センサー / 超格子 / 電界放射 |
研究概要 |
ナノワイヤーなどの1次元ナノスケール物質はナノチューブとともに、次世代の新機能性物質として注目されている。特に、ZnSはワイドギャップ半導体として、化学的・熱的に安定であり、紫外線レーザーやガスセンサーなどの応用が期待される重要なナノ物質である。本研究ではZnSなどのワイドギャップ半導体の新規な合成法の開発とその機能特性を解明することである。本年度は下記の成果を挙げた。 1.ZnS(半導体)と金属(In)との複合構造型のヘテロ接合ナノワイヤーやナノチューブを合成することに成功した。さらに、ZnOナノチューブの表面に1次元に配向した微細なZnSナノワイヤーをじ丁度櫛のような形状をしたナノ組織体を創製することに成功した。このようなヘテロのナノ組織体はZnSのナノワイヤーが1次元に配向している利点に加えて、ナノワイヤーの先端が5nmΦと特に鋭いために、従来のZnSナノワイヤーに比べて100倍以上、優れた電界放射特性を示すことが明らかとなった。 2.Inの金属ナノワイヤーを含んだZnSナノチューブは超電導特性を示すことを明らかにした。 3.ZnSとZnOのヘテロ接合型の複合ナノワイヤーを創製し、その微細構造や特性を解明した。ナノワイヤーは共に単結晶で、ZnSは3C型の立方晶と2H型の六方晶が超格子を組んだような構造をしていた。ZnS/ZnOヘテロ構造体の極低温でのカソードルミネセンスを測定すると、ZnSやZnOの単体では観察されない新しいピークが認められた。約355nmに位置したこの紫外線発光は界面の存在により発現した新ピークである。このような、ヘテロ接合体は紫外線レーザーや紫外線センサー等への応用が期待される。なお、本成果はNano Letter(2008)に掲載された。
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