研究課題/領域番号 |
06F06616
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
生島 豊 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター・超臨界流体場反応チーム, 主幹研究員
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研究分担者 |
DAPURKAR Sudhir Eknathrao 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学プロセス研究センター・超臨界流体場反応チーム, 外国人特別研究員
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / ハイブリッド触媒 / ナノポーラス材料 / シナジー効果 / 高選択的酸化反応 / 酸素酸化 / 不斉金属錯体触媒 / 不斉エポキシ化 |
研究概要 |
本研究では、超臨界二酸化炭素(scCO_2)の特性とメソ構造有機-無機ハイブリッド触媒機能のシナジー効果を利用し、これまで極めて困難とされてきたアルカン類の高選択的酸化反応を中心として検討を行う。さらに、化学構造の異なる基質を用いて種々の酸化反応を行うとともに、超臨界状態に依存した触媒活性発現機構、反応メカニズムを理論・実験の両面から系統的に明らかにする。 具体的には、開発したナノスケールでの有機一無機ハイブリッド触媒調整法と、蓄積された超臨界二酸化炭素反応に関する多くの知見、経験を融合することにより、全く新しい"超臨界二酸化炭素を用いる高選択的酸化反応"を創製する。また、超臨界状態特有の触媒活性発現機構、反応メカニズムを明らかにするために、超臨界二酸化炭素中での酸化反応について、溶解した基質、触媒(Co、Mn、Cr、Ti等)、ならびに反応生成物の相関関係についてab initio法によりエネルギー計算を行うとともに、NMR、ATR、FT-IR、紫外・可視等の分光学的高圧in situ測定によって、scCO_2との親和性、溶解性の大きさを理論的、実験的に検証する。 今年度においては、有機-無機ハイブリッド触媒としてCr触媒を選定し、110〜190℃、6〜72時間の水熱反応条件下で様々なナノポーラス型固体触媒を合成した。得られた触媒はXRD、TEM、ICP-EAS、DRUV-Visを用いて解析し、その構造を確認した。得られた固体触媒の触媒活性は、反応基質としてベンジルアルコールを用い、scCO_2-酸素ガス共存下で酸化反応を行うことにより評価した。その結果、触媒活性はやや劣るものの、触媒的酸素酸化反応は進行しベンズアルデヒドが生成することが認められた。また、オレフィン類の不斉エポキシ化を検討するため、Mn-Salen型不斉金属錯体触媒を合成するとともに、本触媒をナノポーラス材料に担持する方法について検討した。
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