研究課題/領域番号 |
06F06618
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
榎本 秀樹 (独)理化学研究所, 神経分化・再生研究チーム, チームリーダー
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研究分担者 |
GOULD Thomas William (独)理化学研究所, 神経分化・再生研究チーム, 外国人特別研究員
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キーワード | GDNF / Ret / 神経栄養因子 / 運動神経 / 細胞死 / 錘内筋線維 / conditional |
研究概要 |
グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)とその受容体複合体であるGFRα1とRETは、全体のうちの30%以下の運動神経の生存に必須であることがわかっているが、それらがどのような運動神経であるかはまだ不明な点が多い。さらにGDNF-RETシグナル伝達系の欠損マウスは生後すぐに致死するため、生後における運動神経に対するGDNFの役割もまだ解明されていない。そこで、GFRα1もしくはRETの条件的ノックアウトマウスと発生初期に運動神経特異的にCre組み換え酵素を発現させるHB9-Creマウスを用いて、運動神経特異的にGFRα1もしくはRETを欠損したマウスをつくり、運動神経の発生過程および、生後におけるGDNF-RETシグナルの役割について解析を進めている。これまでに、欠損マウスにおいて浸透率50%で下肢腓骨神経が欠損することを見出し、GDNF-RETシグナルがこの神経の生存に必須であることを明らかにした。さらに脊髄から骨格筋に至る運動神経線維において直径の細いγ繊維が90%近く減少していることを見出した。γ線維は筋紡錘の錘内筋線維にシナプスを持ち、筋紡錘自体の筋線維(錘内筋線維)を調節している。GDNFがこのγ線維の発生、維持に特異的にはたらいているのかどうかをより詳しく解析するために、現在、錘内筋線維に投射する運動神経だけが蛍光標識されるマウスの作製を目指している。このマウスができれば、γ運動神経を選択的に単離することも可能になり、より分子レベルの解析も可能になると期待している。
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