岩崎稔とマーク・ドリスコルが中心となって、総動員システムと植民地支配というふたつの政治文化システムの連関や相互作用を、具体的な文化的表象を用いて分析する作業を続けた。関連する文献を収集し、適宜読解するとともに、認識を共有するための研究会も重ねた。 とくにドリスコルは、謝金によって翻訳通訳業務を担当してくれるアルバイト学生を伴って、国立国会図書館に通い、必要な図版、図録を調査した。 都市のなかに残る総力戦体制以来の文化的現象を調査するために、旅費を用いて大阪の研究会に参加し、またその研究会のためには、複数の研究者や民間の研究者に報告を行なってもらった。また、福岡の九州大学での調査や文献チェックのために、必要な出張を行なった。 これらを通じて、身体や空間をめぐる文化と政治の連関について、プロジェクト参加者の認識は格段に深化し、また、今後の研究に必要な研究者ネットワークを構築することに成功した。
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