• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

総力戦及び植民地支配体制下の日本における周縁化された性的表象の読解の分析

研究課題

研究課題/領域番号 06F06743
研究機関東京外国語大学

研究代表者

岩崎 稔  東京外国語大学, 外国語学部, 教授

研究分担者 DRISCOLL M.W.  東京外国語大学, 外国語学部, 外国人特別研究員
キーワード総力戦体制 / 身体性 / セクシュアリティ / 生政治 / ナショナリズム / レイシズム
研究概要

昨年度に引き続き、岩崎稔とマーク・ドリスコルが、総動員システムと植民地支配というふたつの政治文化システムの連関や相互作用を、具体的な文化的表象を用いて分析する作業を続けた。関連する文献を収集し、適宜読解するとともに、認識を共有するための研究会も重ねた。
具体的には、岩崎が特に植民地支配における身体と文化の問題に取り組み、コロニアリズムにおける物質的な暴力の思想的な含意についていくどか報告した。とくに性的な身体をめぐって、レイシズムの支配が、統合と排除、包摂と異物化というふたつの作用としてせめぎあすことの動態とその理由を解明することに先進した。
他方ドリスコルは、岩崎と認識を共有しつつ、謝金によって翻訳通訳業務を担当してくれるアルバイト学生を伴って国立国会図書館にひきつづき通い、必要な図版、図録を調査してきた。また収集した身体をめぐる表象や図像を具体的にもちいて図像学的読解の実践を試みた。このトレーニングを通じて、図像を分析する際の基本的な枠組みや概念を鍛えることができた。また、とくに新しい視座として、ドリスコルは、コロニアリズム研究の一環である沖縄研究にも研究対象を拡大することができ、複数の研究者や民間の研究者との共同作業をこころみた。
これらの作業を通じて、身体や空間をめぐるポリティクスについて、プロジェクト参加者の認識は、初発の時点に比べて格段に深化し、多くの素材を処理可能になった。また、研究のための図像の読解作業を通じて、今後の研究に必要な研究者ネットワークを構築した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 記憶から想起ヘドイツ語圏の作品から2008

    • 著者名/発表者名
      岩崎 稔
    • 雑誌名

      『現代思想』「総特集=ドキュメンタリー」 1月臨時増刊号

      ページ: 212-228

  • [雑誌論文] 詩と労働のあいだ2007

    • 著者名/発表者名
      岩崎 稔
    • 雑誌名

      『現代思想』2007年「総特集=戦後民衆精神史」 12月臨時増刊号

      ページ: 194-199

  • [雑誌論文] 『精神現象学』「緒論」の反方法的方法と構築主義の問題2007

    • 著者名/発表者名
      岩崎 稔
    • 雑誌名

      『現代思想』「総特集=へーゲル『精神現象学』二〇〇年の転回」 7月臨時増刊号

      ページ: 55-63

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi