研究課題
1.有柄ウミユリ類の茎の成長速度、成長様式と環境適応、種分化の関係を明らかにするため、各種の有柄ウミユリの採集と観察を行った.駿河湾、熊野灘北部、九州西岸域などから8種類の有柄ウミユリの採集を行い、茎形態の観察を行った.また炭酸塩骨格中の酸素同位対比の測定を行っており、それに温度変化が記録されているかどうかを検討中である.今のところ骨格部位による変異が大きく、温度変化が十分に記録されていない可能性があるので、他の半減期の短い元素を用いた測定を計画している.2.ポーランドのジュラ紀中期の地層から産出するゴカクウミユリ類に、少数ながら4放射対称を示す茎板が含まれており、その原因を考察し論文にまとめた(近日中に投稿予定).この原因として、生息環境への適応、種として確立した特徴、または捕食などによる傷害によるなどの可能性が挙げられるが、他の形質に違いが見られないこと、極めてまれにしか見つからないことから3番目の可能性が高いと考えられる.3.スウェーデン南部のジュラ紀中期の地層から産出したゴカクウミユリ類(新種1種を含むの記載を行った.4.伊豆-小笠原海溝の9000mを超える超深海から撮影されたウミユリ類の生態学的意義に関して考察を行った(近日中に投稿予定).非常に個体密度が高いことから、餌の供給が豊富であるか、または有柄ウミユリ自体が他の無脊椎動物に比べて餌を多く必要としない生理学的特徴を有している可能性が指摘される.
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Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology (掲載確定)
Aifrican Geosciences Review 14
ページ: 123-148
In:Alvaro, JJ., Aretz, M, Boulvain, F, Munnecke, A., Vachard, D., Vennin, E(Eds.).Palaeozoic Reefs and Bioaccumulations:Climatic and Evolutionary Controls, Geological Society of London Special Publication, 275.(pp.71-86) 275
ページ: 71-86