研究課題/領域番号 |
06F06796
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
谷口 健男 岡山大学, 廃棄物マネジメント研究センター, 教授
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研究分担者 |
KALBACHER T. 岡山大学, 廃棄物マネジメント研究センター, 外国人特別研究員
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キーワード | クラスター型計算機 / 有限要素解析 / プリプロセッシング / 要素分割法 / 並列処理 / 地下空間のモデル化 / 3次元モデル |
研究概要 |
地下空間の利活用(地熱発電、化学・放射性廃棄物処理場など)は、非常に長期間であること、地下空間情報は未だに不破かであることから、当該計画が環境に及ぼす影響を事前に詳細に検討や対策が必要である。このような新しい環境システムの掌握には、大規模数値シミュレーションが不可欠となることからクラスター計算機の有する計算能力への期待が大きい。その数値シミュレーションの最大ボトルネックが、解析対象空間形状の入力とその幾何学モデル生成であることは周知の事実である。大規模な並列処理を可能にして初めてクラスター計算機の能力を発揮できることから、数値計算の並列処理チューニング技術開発は活発に行われているが、形状入力とモデル生成の大規模並列処理技術は未だに発展中のテーマである。 この研究テーマ実施の初年度にあたる平成18年度においては、大規模数値シミュレーション技術の開発環境の整備を行うとともに、部分的に構築できたクラスター型計算機システムでの分散処理技術の習得と必要な技術開発を行った。それらを列挙すると、以下の4項目であるが、前2者は牡算機システムの、後2者は構築予定のプリプロセシングのソフトウェアに関するテーマである。 (1)システム開発環境整備:提案している研究は計算力学・計算機科学を基とする大規模な数値実験的アプローチであることから、それに適した計算機システム(ハードウェアとソフトウェア)を整備した。具体的には、クラスター型計算機システムのうち、フロントーエンド計算機と2ノード分のパーツを購入し、計算機システムを完成させた。なお、平成19年度において更に2ノード分を増設する予定である。 (2)計算機システムの調整:購入した部品から組み立てたハードウェア(クラスター型計算機)のシステムとしての調整を実施した。具体的には、各ノード単位で組み立てた後、ノード単位で稼動することを確認し、次いでノード同士を互いに認識させ、さらに並列計算機としての性能向上を目指した調整を行った。 (3)大規模3次元領域の形状入力に関する検討:並列計算機を想定していることから、大規模系を対象とする形状入力の検討を行った。特に形状入力上必要な入力データの確定とそれらデータの入手法、さらにそれらデータの入力の検討を行った。 (4)ソフトウェアシステムの分散処理に関する研究:ソフトウェア自体が分散型計算機システムに適したものでなければならないことから、既存ソフトウェアのチューニングが不可欠である。本年度では、開発予定の全アルゴリズムと各プロセスの並列処理のチューニング技術を調査した。
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