前年度までに得られた知見に基づいて、できるだけ広くコメントや批判を集め、それらを参考にして伝統的知識の保護と利益配分を前進させうる相互支持的な指標やガイドラインに関する提言をまとめた。また、新たな動向の把握にも注意を払い、それに対応して提言内容を再検討した。その際、特に、人的、財政的、時間的、技術的な各資源の重複の解消、統合的・総合的管理および実施体制の確立に注意を払うとともに、持続可能な開発の促進およびミレニアム開発目標の達成についても留意した。 その提言については、関連する国際会議や国内研究会に参加して発表することに努めた。その会議には、生物多様性条約締約国会議サイドイベント(2008年5月)が含まれる。 このほか、特別研究員は、知的財産に関わる分野、特に、アーユルベーダのような伝統的な医療および健康管理、薬草栽培や農業などに関わる伝統的知識の維持と保護の必要性についても検討した。その成果はハンディサイズのガイドブックとしてまとめられ、2008年5月にドイツ・ボンで開催された生物多様性条約の第9回締約国会議及びその後の国際会合において配布された。
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