研究課題
現在、候補遺伝子としてGADD45αに焦点をさだめ実験をおこなっている。まず、メダカゲノムデーターべ一スを元にGADD45αのクローニングをおこない、一次構造の推定をおこなった。その結果メダカGADD45αは、全長477bp158アミノ酸でヒトと約66%のホモロジーをもち、他の脊椎動物同様4つのエキソンを持ちうることが示された。次にこのGADD45αがメダカで実際に放射線照射後に発現が増大するかどうかをリアルタイムPCRで確認し、その結果ヒト同様照射後数時間で発現が増大すること、また線量依存的に発現が増大することが観察された。また、ヒトなどではイントロン3の部分にGADD45αの発現に重要なエンハンサー(P53認識配列+AP-1配列)が存在していることが知られているが、メダカにも同様な構造が存在しているかどうかを調べ、同じ配列が存在していることを確認した(左図)。このことからメダカも人と同様のメカニズムでGADD45αの発現を制御している可能性が示された。メダカGADD45α上流域などをGFPレポーター遺伝子に付けたものをメダカ卵にインジェクションし、その胚にエックス線(10-20Gy)を照射して蛍光観察をした(右図)。まず、上流0.7KbpをGFPレポーター遺伝子に付けたコンストラクトをマイクロインジェクション法で注入したが顕著なGFPの発現は見られなかった。次に上流約1.7Kbpを注入したがこれも同様な結果であった。そこで発現に重要であると考えられているイントロン3を上流域約1.7Kbpに付けたものを注入した。ある程度のGFPの発現は見られたが際立ったGFPの発現があるわけではなかった。最終的にイントロン3にエキソン1-イントロン1を繋げた領域を打ち込むとある程度良好な結果が得られたので、現在このコンストラクトでのライン化を行っているところである。
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Brain, Behavior and Evolution 68
ページ: 87-95
Journal of Radiation Research 48
ページ: 295-303