• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

食品成分によるアリール炭化水素受容体の形質の形質転換抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06J00861
研究機関神戸大学

研究代表者

向井 理恵  神戸大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードアリール炭化水素受容体 / AhR / フラボノイド / ダイオキシン
研究概要

復数のパートナータンパク質と結合して細胞質に存在するアリール炭化水素受容体(以下、受容体はAhR、タンパク質との複合体はAhRcと略す)は、芳香族炭化水素が結合するとパートナータンパク質が解離し核へ移行する。さらに、Arntタンパク質と2量体を形成することで転写因子として働き、細胞内の代謝をかく乱する。本研究では、植物性食品成分がAhR形質転換を抑制することに着目し、その作用メカニズムならびに生体内での有効性について検討した。
(1)細胞内における、芳香族炭化水素が誘導するAhRシグナル経路に対してフラボノイドがどのような効果を示すか検討した。フラボノイドのサブクラスのうち、フラボン、フラボノールに属する化合物はAhRの核移行を抑制すると共にAhRcの解離を抑制した。一方、ブラバノンあるいはカテキンに属する化合物に関しては、これらの抑制効果を示さず、Arntとの2量体形成が抑制された。これらの事から、フラボノイドのサブクラスごとにAhRの転写因子としての働きを抑制する機構が異なることが明らかとなった。
(2)フラボノイドがAhRの形質転換を抑制するとき、ターゲット細胞に取り込まれているか否か検討した。フラボノイドはABCトランスポーターを介して細胞外へ排出されることが報告されている。トランスポーターの阻害剤を作用させた細胞を用いてフラボノイドのAhR形質転換抑制効果を検討したところ、フラボンとフラボノールに関して効果が高まる結果が得られた。また、自家蛍光を有するフラボノールを作用させた細胞を蛍光顕微鏡で観察することで、細胞内に化合物由来の蛍光を確認した。これらの事から、ある種のフラボノイドは細胞内へ取り込まれることで効果を発揮している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Interaction between the aryl hydrocarbon receptor and its antagonists, flavonoids2007

    • 著者名/発表者名
      Itsuko Fukuda
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications 359

      ページ: 822-827

    • 査読あり
  • [学会発表] Differences in chemical structures of flavonoid on the suppressive effects on transformation of an aryl hydrocarbon receptor2007

    • 著者名/発表者名
      Rie Mukai
    • 学会等名
      The 3rd International Conference on Polyphenol and Health
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2007-11-27
  • [学会発表] フラボノイドがアリール炭化水素受容体の核移行に及ぼす影響について2007

    • 著者名/発表者名
      向井 理恵
    • 学会等名
      日本農芸化学会2007年度大会
    • 発表場所
      東京農業大学
    • 年月日
      2007-03-25

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi