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2007 年度 実績報告書

廃棄物投棄リスクを考慮した都市近郊緑地の保全管理手法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 06J00997
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

雨宮 護  独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 特別研究員(PD)

キーワード防犯 / まちづくり / 批判論
研究概要

本年度は,廃棄物投棄の問題に対して近年行われている,「防犯まちづくり」のもつ否定的な側面を明らかにするための研究,および国内外における最新事例を把握する作業を行った.以下に概要を示す.
前者では,既存の学術雑誌や評論誌のレビューをもとに、わが国の防犯まちづくりへの批判論を体系的に整理すること、アンケートの分析をもとに、批判論に対する一般市民の態度を明らかにすることを目的とした。まず、121の文献から抽出された142の批判論を分類した結果、それらは3つの大カテゴリのもとで、「警察国家論」、「監視社会論」、「要塞都市論」などの10の論点で整理された。次に、各論点への賛否を尋ねたアンケートの分析の結果、批判論には、市民の賛同を得ているものとそうでないものがあること、犯罪不安の高まりに伴って、今後賛同を得ることが予測されるものと逆に軽視されるようになっていくものがあることが明らかとなった。今後の防犯まちづくりにおいては、市民の賛同を得る批判論に応えるだけでなく、とくに軽視される批判論に対して一定の配慮が加えられる必要があると考えられた。
後者では,文献調査をもとに,英米の防犯まちづくりの基礎となっている「場所に基づく防犯理論」(PBCP)の系譜と近年の動向を把握した.その結果,以下の3点が示された.1)1960年代に誕生したPBCPは,1990年代までに「効果の限界性」,「対象空間の限定性」,「実践の困難さ」,「副作用への懸念」の4つの限界に直面した.2)それを踏まえて1990年代後半以降に現れてきた後期PBCPは,「包括的概念」,「対象空間の拡大」,「実践への配慮」,「上位概念への位置づけ」の4つの性格を含むものとなった.3)PBCPは,ニューアーバニズムなどの現在のまちづくりの理論と大きな目標を共有しつつ発展している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 批判論の論点と市民の態度からみたわが国の防犯まちづくりの課題2007

    • 著者名/発表者名
      雨宮護・樋野公宏・小島隆矢・横張真
    • 雑誌名

      都市計画論文集 42-3

      ページ: 691-696

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 防犯に配慮した戸建住宅地開発の経緯と課題2007

    • 著者名/発表者名
      小野木祐二・樋野公宏・雨宮護・小場瀬令二
    • 雑誌名

      都市計画報告集 6-1

      ページ: 33-37

  • [雑誌論文] 英米における「防犯まちづくり」の理論の系譜と近年の動向2007

    • 著者名/発表者名
      雨宮護・樋野公宏
    • 雑誌名

      都市計画報告集 6-3

      ページ: 100-107

  • [学会発表] 批判論の論点と市民の態度からみたわが国の防犯まちづくりの課題2007

    • 著者名/発表者名
      雨宮護
    • 学会等名
      日本都市計画学会
    • 発表場所
      工学院大学(東京都新宿区)
    • 年月日
      2007-11-18

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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