• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

マイクロホンアレーを用いた信号分離フィルタに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06J01250
研究機関東京農工大学

研究代表者

村上 隆啓  東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 特別研究員(PD)

キーワード時間領域ブラインド信号分離 / 多次元独立成分分析 / 畳み込み混合 / 誤差最小化フィルタ / 類似度 / 並び替え問題
研究概要

畳み込み混合モデルにおけるブラインド信号分離(BSS)問題に関する研究では,時間領域におけるこの問題の最適解が,独立成分分析(ICA)問題における局所解の中に含まれることを証明した.時間領域BSS問題へのアプローチとして,従来から多次元ICAとよばれる枠組みで解決しようという試みが数多くなされてきた.しかし,多次元ICA問題には複数の望まない局所解が存在するため,最適解を得る手法が確立していなかった.一方で,従来から知られているICA手法を多次元ICA問題に適用すると,最適解と思われる解に未知のフィルタをかけて順序をランダムに並べ替えたものが得られることが経験的に知られていた.本研究では,多次元ICA問題の最適解および最適解に未知のフィルタをかけてランダムに並び替えたものが,多次元ICA問題をICA問題として扱ったときに得られる局所解の中に含まれることを証明した.これによって,今までは経験的であった多次元ICA問題のICA手法を用いた解法に数学的裏づけを与えた.
また,時間領域BSS問題と関連して昨年度に提案した誤差最小化フィルタ(EMF)に関する研究では,EMFの数学的性質を明らかにした.EMFは,2つの観測信号に何らかのフィルタをかけて得られる出力間の差が最小となるように設計したフィルタである.本研究では,観測信号を様々な条件下でモデル化し,それぞれの条件におけるEMF出力間の差の振る舞いを相関係数の観点から解析した.その結果,何らかの原信号が未知の経路を通過して観測されたときに,そのEMF出力間の2乗誤差が原信号間の相関係数を表していることが示された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Time-domain blind signal separation of convolutive mixtures via multidimensional independent component analysis2009

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Murakami
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences Vol.E92-A No.3

      ページ: 733-744

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Measurement of similarity between latent variables2009

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Murakami
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences Vol.E92-A No.3

      ページ: 824-831

    • 査読あり
  • [学会発表] ランダム変数間の類似度の測定とブラインド信号分離への応用2008

    • 著者名/発表者名
      村上隆啓
    • 学会等名
      電子情報通信学会信号処理研究会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      20080700

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi