研究概要 |
一昨年度の調査で得た知見を整理・分析し、それを発表・論文の形で積極的に公表した。まず、発表としては、2007年7月22日ににんぷろワークショップ2007第IV室「日本宋史研究の現状と課題」にて「1980年代以降の日本の遼金史研究」、8月23日に第33回宋代史研究会で「稷山段氏の金元代-11〜14世紀の山西汾水下流域における「士人層」の存続と変質について-」(これは一昨年度の山西現地調査の知見に基づく発表であり、その論文化が進行中である)、9月28日には応用科挙史学研究会第4回研究集会にて「女真・モンゴル支配下華北における科挙受験者数について」を行なった。また、「金元代華北における外来民族の儒学習得とその契機-モンゴル時代華北駐屯軍所属家系の事例を中心に-」(『中国-社会と文化』,第22号,pp.27-43,2007年6月)、「女真・モンゴル支配下華北の科挙受験者数について」(『史観』,第157冊,pp.40-57,2007年9月)、"Jurchen Jin Study in Japan since the 1980s",Journal of Song-Yuan Studies vol.37,2007/12など、論文も積極的に公表したほか、海外の新たな研究成果の紹介にも力をいれ、劉浦江(著);飯山知保(訳)「契丹名、字研究-文化人類学の視点からみた父子連名制-」(『唐代史研究』,第10号,唐代史研究会,pp.47-71,2007年10月)を翻訳した。これら以外にも新規論文の投稿・寄稿を複数行なっており、それらはみな次年度に公表される予定となっている。 さらに、中国における現地調査も引き続き継続し、8月28日から9月14日まで、山西省中部の晋中地区において、現存する金元時代の碑刻の実見調査を行い、データの蓄積を積極的に行なった。2008年3月7日から17日までは、山西省大同市・朔州市地区において、同じく現存する金元時代の碑刻の実見調査を行い、こちらも多くの成果をあげることに成功した。
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