• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

オスマン帝国における歴史意識-建国神話に見られる「起源」の記憶の創造と変容

研究課題

研究課題/領域番号 06J01673
研究機関(財)東洋文庫

研究代表者

小笠原 弘幸  (財)東洋文庫, 研究部, 特別研究員(PD)

キーワードオスマン帝国 / 歴史叙述 / 建国神話 / オグズ / セルジューク朝 / 王統譜
研究概要

オスマン帝国の起源伝承研究の成果として、今年度は国内外で合計四回の口頭発表を行った。その内容は、大きく次の三点に分けられる。
(1)セルジューク朝とオスマン朝の関係:オスマン朝の史書において、先行王朝としてセルジューク朝が重要な位置を占める。両王朝は、史実としての関係が殆ど認められないにもかかわらず、言説上では直接的な血縁関係などが主張され、オスマン王家の正当性確保に大きな役割を果たした。
(2)オスマン朝王統譜の生成過程:オスマン王家は、「ノアの箱船」のノアの時代から続く伝説的な系譜を持つ。本研究では、旧約聖書、イスラーム伝承などの様々な系譜情報が取り込まれつつ、王統譜が練り上げられてゆく過程を明らかにした。
(3)オグズ伝承における「正統」問題:テュルク族の伝説的王であるオグズ・ハンの後を継ぐ存在として、オスマン朝の出身部族であるカユ氏族が「正統」に定められてゆくロジックを、オスマン朝以外の史料も網羅的に参照しつつ検討した。
以上の研究は何れもオリジナルな内容である。口頭発表に当たっては、有益な意見・批判を受けることができた。来年度は、これら口頭発表の内容を雑誌論文の形で発表していく予定である。
なお、本年度掲載の論文"The Official Historiographers in the Ottoman Empire : the Formation Process and Their Ideas"は、内容的には前年度の研究課題(オスマン朝修史官制度の研究)の成果である。投稿は平成17年度であったが、掲載は今年度となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The Official Historiographers in the Ottoman Empire : the Formation Process and Their Ideas2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Ogasawara
    • 雑誌名

      Orient 42

      ページ: 151-177

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi