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2006 年度 実績報告書

清朝のチベット仏教政策史研究-清朝領内におけるチベット仏教管理制度の成立

研究課題

研究課題/領域番号 06J03933
研究機関筑波大学

研究代表者

栗本 陽子  筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード清朝史 / チベット仏教政策 / 扎薩克喇嘛制度
研究概要

今年度は、入関前から康煕年間までの清朝のチベット仏教政策を分析し,清朝領内のチベット仏教管理制度の成立過程を明らかにした。
1.入関前から順治年間まで
満洲語档案史料「内閣満文題本」・「満文国史院档」(ともに中国第一歴史档案館所蔵),チベット語史料『ダライラマ五世伝』等に加え,錫勒図庫倫旗の扎薩克大喇嘛の伝記を用いて,入関前から順治年間までのチベット仏教僧の事績と清朝の対応を分析し,清朝草創期のチベット仏教管理制度の成立過程を検討した。また,実際に内モンゴルの庫倫旗に赴き,清朝時代に建立され庫倫旗の中心的寺院であった興源寺の伽藍配置,及び該地のモンゴル族のチベット仏教信仰の現状について調査した。その結果,清朝が順治年間に設置した扎薩克喇嘛制度は錫勒図庫倫旗に起源をもち,特に順治年間の京師と錫勒図庫倫旗のチベット仏教界は密接にかかわりながら発展していったことを明らかにした。
これらの研究成果を用いて,平成18年8月5日社会文化史学会において口頭発表を行い,平成19年3月25日発行の『社会文化史学』49号に論文が掲載された。
2.康煕年間まで
満洲語版『親征平定朔漠方略』,モンゴル語档案史料「蒙文老档」,チベット語史料『チャンキャ一世伝』・『ド・メ仏教史』等を用いて,康煕年間に清朝皇帝のもとで使臣として活動したチベット仏教僧たちの事績彼等に対する清朝の待遇,彼らの活動が当該時期の内陸アジア史に与えた影響について検討した。その結果,従来等閑視されてきたチャンキャ一世来朝以前の扎薩克嘲嚇制度について,順治年間に引き続き錫勒図庫倫旗のチベット仏教僧が深く関与していたことを明らかにした。また,チャンキャ一世の清朝での事績とその地位について,詳細な叙述と分析を加えることができた。
これらの研究成果を用いて,平成18年7月17日野尻湖クリルタイ(日本アルタイ学会)において口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 太宗〜世祖期の清朝とチベット仏教僧-扎薩克喇嘛制度をてがかりに2007

    • 著者名/発表者名
      栗本 陽子
    • 雑誌名

      社会文化史学 49号

      ページ: 41-59

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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