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2006 年度 実績報告書

単一神経細胞を用いた神経可塑性形成機構の機能的解析

研究課題

研究課題/領域番号 06J04256
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

我妻 明湖  東京医科歯科大学, 大学院疾患生命科学研究部, 特別研究員(DC2)

キーワード単一細胞 / 遺伝子発現 / 神経可塑性
研究概要

発達期における視覚皮質可塑性の開始には、抑制性神経伝達の成熟が不可欠であり、興奮性伝達と抑制性伝達のバランスが整ってはじめて、経験依存的な神経回路の再編成が行われる。そこで研究代表者は、マウスの視覚皮質可塑性における抑制性神経伝達に重要とされるGABA作動性ニューロンのひとつ、パルブアルブミン含有細胞に注目した。
パルブアルブミン含有細胞は、電気生理学的にはfast-spiking neuronであることや、解剖学的には主に錐体細胞の軸索起始部や細胞体にシナプスを形成することが調べられているが、それ自身の分子機能はほとんど知られていない。研究代表者はパルブアルブミン含有細胞を特異的に蛍光標識した遺伝子改変マウスを用いて、マウスの生後発達期(臨界期)における皮質のパルブアルブミン含有細胞のみをFACSで選別し、完全長cDNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析を行った。
パルブアルブミン含有細胞とそれ以外の細胞群との比較では、代謝関連遺伝子を含む複数の遺伝子がパルブアルブミン含有細胞特異的に高発現していることが明らかになり、この事実はパルブアルブミン含有細胞がfast-spiking neuronであることからも信頼できる結果である。
またGABA合成酵素のひとつであるGAD65との二重遺伝子改変マウスを用いた解析では、可塑性を開始する鍵となる遺伝子の候補が複数見つかっており、今後の詳細な解析によって可塑性の有無を決定づける遺伝子が発見されることが期待されている。本研究の成果は、可塑性決定遺伝子の発現を操作することにより発達障害、脳の損傷、ひいては生涯学習の研究においても発展が期待されるものである。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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