沈み込む海洋プレート中に存在すると考えられている含水鉱物δ-AIOOH相の安定領域を、ダイアモンドアンビルセルを用いた高温高圧実験により決定した結果について論文にまとめ、国際誌に掲載された。また第一原理計算により予言されていた高圧下での水素結合の対称化の可能性を探るため高圧下で中性子回折実験を行った結果について論文にまとめた。実験では圧力が上がるにつれて常圧では片側の酸素に近い位置にあった重水素が二つの酸素間の中心へと移動していく様子が観察され、外挿すると約15-24GPa付近で水素結合の対称化が起きると予測きれることを示した。さらに、δ-AIOOHのより高圧下における相転移の可能性を探るため、常圧でδ-AIOOHと同じ構造を持つInOOHについて高温高圧実験を行った。14GPa付近、1300Kで加熱するとInOOHはより高密度なパイライト型に相転移し、このパイライト型InOOHは30 GPaまで安定に存在することが確認され、この結果についても国際誌に掲載予定である。
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