研究課題
今年度は薩摩藩の集成館事業と大阪造幣寮の研究を実施した。それぞれふたつに分けて実施した内容を報告する。(集成館事業)奄美大島白糖製造工場について現地の在来的な技術と慶応年間に導入された洋式新工場との相違点を明確にするために考察を行った。現地に残る在来的な製糖用器具を実測調査し、関連する同時代の諸文献を閲覧した。洋式技術と在来技術との比較考察については日本建築学会計画系論文集へ発表し、在来的器具の調査結果は産業考古学へ発表した。また、国際的な視点から検討した鹿児島紡績所について海外の研究者の反応を得るために、日本語論文を英訳し、国際会議において発表した。海外の研究者と技術移転に関する知識の交換など、有益な知見を得ることができた。(大阪造幣寮)昨年度末、一ヶ月ほど英国ケンブリッジ大学図書館が所蔵するジャーディン・マセソン商会文書を閲覧することができた。この文書より大阪造幣寮におけるお雇い外国人技術者ウォートルスの事跡について新たな知見を得ることができた。これに、日本国内に所在する諸文献の内容と照合を加えることで、実証的な論文としてまとめることができた。前回は一ヶ月の調査であったため、今後は更に長期間調査したいと思う。
すべて 2007 2006 2000
すべて 雑誌論文 (4件)
産業考古学 第123号
ページ: 13-20
建築史学 第48号
ページ: 23-44
日本建築学会計画系論文集 第610号
ページ: 177-184
Proceeding of International Conference on East Asian Architectural Culture, Kyoto Vol.1
ページ: 411-419