研究概要 |
Alix(ALG-2-interacting protein X)は、アポトーシス関連遺伝子産物ALG-2の相互作用因子として同定されたアダプター蛋白質で、アミノ末端にBro1ドメインを、カルボキシル末端にプロリンリッチ領域を持ち、プロリンリッチ領域を除いたアミノ末端側3分の2の領域は、酵母からヒトまで高い保存性を有している。AlixはBro1ドメインでCHMP4およびRabGAPLPと、プロリンリッチ領域でendophilin、CIN85/Ruk_l/SETA、TSG101およびALG-2結合することで、レセプターのエンドサイトーシス、エンドソームにおける物質の選別、そしてアポトーシスに関与することが明らかとなってきた。本研究では、Alixと同じく、Bro1ドメインおよびプロリンリッチ領域を有するAlix相同蛋白質HD-PTP(His-domain-containing protein tyrosine phosphatase)に着目し、Alix結合蛋白質との相互作用解析を行った。酵母two-hybrid法およびStrep-pulldown法を用いた相互作用解析により、HD-PTPはRabGAPLPおよびCIN85/Ruk_l/SETAとは結合しないが、CHMP4b/Shax1、endophilin A1、TSG101およびALG-2とは結合することが明らかとなった。これらの結果から、HD-PTPもまた、エンドサイトーシス経路の制御に関与していることが示唆された(Ichioka et al. Arch.Biochem.Biophys.457,142,2007)。
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