人間にとってより直感的で理解し易い自己説明型ソフトウェアコンポーネントを検索・表示・指定・実行するためのプログラミング環境を構築し、プログラミングの非専門家を含む多くの人々が、計算処理や情報資源の生成に携わることを可能にすることが本研究の目的である。本年度は、自己説明型コンポーネントのライブラリ化(DB化)を行い、ソート、文字列処理、動的計画法、多くのグラフ・木・ネットワーク構造における基本的及び高度な計算アルゴリズムを自己説明型コンポーネントとして実装した。またライブラリコンテンツの検証・開発を通じて、アルゴリズムサイバーフィルム言語の体系的な分析により、言語要素の自己説明性を拡張し、言語の構文・意味論の記述を提供した。アルゴリズムサイバーフィルム言語における新たなビジュアルシンボルとそれらの構成概念、言語要素である新しいタイプの前景・背景オブジェクトイメージ、マルチプルビューの新要素、及びサイバーフィルムシーンとサイバーフレームの構文・意味を定義するための規則の集合、が導入された。ライブラリの各コンポーネントは、アルゴリズムの動的な特徴を説明するアルゴリズミックスケルトンのフレームセット、プログラムをコンパクトな形式で表現する統合ビュー、及び実行プログラムの自動生成をサポートするテンプレートプログラム群として開発された。開発されたライブラリコンポーネント及び事例研究は、アルゴリズムサイバーフィルム言語が実に多種多様なアルゴリズムをより効率的に表現・指定できることを実証した。また、本ライブラリは、アルゴリズムの特徴を現すマルチプルビュー及び可能なプログラム実装のための"特別な知識"であるテンプレートプログラム群を基礎とした新しいタイプの教育資料となり、一部のコンポーネントは学部のアルゴリズム特論の授業で実用された。
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