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2008 年度 実績報告書

構造場と音響場の連成メカニズムを考慮した能動的放射音制御

研究課題

研究課題/領域番号 06J07445
研究機関東京大学

研究代表者

貝塚 勉  東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員PD

キーワード振働 / 騒音 / 音響 / 機械力学 / 制御工学 / 能動制御 / スマート構造
研究概要

交付申請書に記載の通り、年度当初の目的は、構造と音響の連成系の運動方程式を固有値問題として解き、構造エネルギと音響エネルギの双方に対する直交因子(直交因子A)を求め、更に、これを昨年度までに別の方法(構造エネルギと音響エネルギの和を評価関数として設定し、その中に固有値問題を見出すというもの)によって導出した直交因子(直交因子B)と比較検討することであった。比較対象となる重要項目の一つは、モード・フィルタ(固有ベクトル)の特性である。直交因子Aのモード・フィルタは、構造振動と音圧を陽として定式化された運動方程式を基調として導出される為、振動の計測だけでなく、騒音の計測も前提とする。複数点の騒音を計測することは、空間を確保するという観点から、実用的に難しい。一方、直交因子Bのモード・フィルタは、構造振動を陽として定式化された評価関数を基調として導出される為、振動の計測だけを前提とすれば良い。そこで、直交因子Bに焦点を当て、研究を継続することとした。
昨年度、直交因子Bのモード・フィルタを用いた能動制御系を定式化した。また、これを矩形平板等の単純な構造物に適用して、その効果を数値解析し、振動と騒音の統合的制御の成就を確認した。本年度は、この制御系をより実際的な構造物に適用し、その実用性を検証することとした。適用対象としては、二重壁を取り上げた。二重壁は、重量を抑えつつ、遮音性能を高めるための構造である。しかし、二重壁の遮音性能は、周波数の低くなるにつれて劣化してしまう。そこで、多くの研究者が、二重壁に能動制御系を適用し、低周波数における遮音性の向上に取り組んでいる。ところが、振動と騒音の大小は、必ずしも比例しない、為、能動制御による騒音低減の副作用として、振動の増大を招きかねない。二重壁に直交因子Bのモード・フィルタを適用し、振働と騒音を統合的に制御することで、この問題を解決した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Vibroacoustic independent contributors and active control of vibration and sound in double walls : Part I. Vibroacoustic modal control

    • 著者名/発表者名
      T. Kaizuka
    • 雑誌名

      Journal of System Design and Dynamics (掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vibroacoustic independent contributors and active control of vibration and sound in double walls : Part II. Cluster control

    • 著者名/発表者名
      T. Kaizuka
    • 雑誌名

      Journal of System Design and Dynamics (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] 二重壁構造の振動と騒音の統合的能動制御2008

    • 著者名/発表者名
      貝塚勉
    • 学会等名
      日本機械学会・交通物流部門大会
    • 発表場所
      川崎市産業振興会館
    • 年月日
      2008-12-12
  • [学会発表] 振動と騒音の統合的能動制御:PVDFフィルムを基調とした構造音響モード・フィルタの適用2008

    • 著者名/発表者名
      貝塚勉
    • 学会等名
      日本機械学会・Dynamics and Design Conference
    • 発表場所
      慶応大学
    • 年月日
      2008-09-03
  • [学会発表] 閉空間における振動と騒音の統合的能動制御:周波数固定型構造音響モード・フィルタの適用2008

    • 著者名/発表者名
      貝塚勉
    • 学会等名
      日本航空宇宙学会・構造強度に関する講演会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2008-07-30

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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