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2008 年度 実績報告書

AAAタンパク質によるタンパク質アンフォールディングと脱凝集の分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06J08040
研究機関熊本大学

研究代表者

錦織 伸吾  熊本大学, 発生医学研究センター, 特別研究員(PD)

キーワードAAAタンパク / ATP加水分解 / 協同性 / p97
研究概要

p97は小胞体関連分解や膜融合、タンパク質凝集抑制など様々な細胞機能に関与するAAAファミリータンパク質である。p97はN末端ドメインと2つのAAA型ATPaseドメイン(D1およびD2)から構成され、ホモ6量体のリング構造を形成する。D1はほとんどATPase活性を示さないため、D2でATPを加水分解して機能すると考えられているが、ドメイン間およびサブユニット間でどのように協同して働いているかは不明である。そこでp97の動作原理を明らかにするため、線虫由来p97ホモログCDC-48.1を題材に、p97のATP加水分解機構を調べた。D1のヌクレオチド結合能を欠損させるとD2のATPase活性は完全に消失した。またD1の触媒残基に変異(E311Q)を導入しATP加水分解能を消失させると、D2のATPase活性は野生型の20%程度だが、E311Qに加えさらにD1のセンサー1やアルギニンフィンガーへ変異を導入すると、D2のATPase活性は野生型の80%程度まで回復した。これらの結果から、D2のATPase活性はD1のヌクレオチド結合状態によって変化し、D1がADP結合型の時、D2が活性型になると考えられた。これはD1のATPase活性を促進させるとD2のATPase活性が減少するという結果とも一致した。また、D2のATPase活性はHill係数が1.6を示し、わずかなATPアナログを添加するとATPase活性が強く阻害されることから、サブユニット間においては正の協同性をもって働いていることが分かった。
FtsHは膜結合型のプロテアーゼであり、不要タンパク質や細胞調節因子を分解またFtsHの基質分解のアンフォールディングと分解のメカニズムを明らかにするた、安定性を変化させた大腸菌およびAnabaena由来のflavodoxonを基質としてFtsHによる分解効率を調べた。その結果、基質の分解効率は基質の安定性と良い相関がみられ、FtsHの基質は基質構造の安定性に依存することが証明された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] p97 homologs from C. elegans, CDC-48.1 and CDC-48.2, suppress the aggregate formation of huntingtin exon1 containing expanded polyQ repeat2008

    • 著者名/発表者名
      Nishikori, S.
    • 雑誌名

      Genes Cells 13

      ページ: 827-838

    • 査読あり
  • [学会発表] Roles of p97/VCP, a multifunctional AAA chaperone, in protein oligomerization and aggregation in neurodegenerative diseases2009

    • 著者名/発表者名
      Ogura, T.
    • 学会等名
      BIT Life Sciences'2nd Annual Protein and Peptide Conference (PepCon-2009)
    • 発表場所
      Seoul, South Korea
    • 年月日
      20090402-20090404
  • [学会発表] Positive Cooperativity of the p97 AAA ATPase Is Critical for Cell Viability2008

    • 著者名/発表者名
      Esaki, M.
    • 学会等名
      48th ASCB Annual Meeting
    • 発表場所
      San Francisco, USA.
    • 年月日
      20081213-20081217
  • [学会発表] 線虫由来p97ホモログCDC-48.1のATP加水分解機構の解析2008

    • 著者名/発表者名
      錦織伸吾
    • 学会等名
      第8回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080610-20080612
  • [備考]

    • URL

      http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/divisions/molecular_cell_biology/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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