自然免疫応答において重要な役割を果たすIkappaB kinaseに結合することが報告されている分子の遺伝子改変マウスの作成を行った。その中で、初めに作成が完了したAtg16L1のノックアウト(KO)マウスの解析を行った。ヘテロマウスには特に異常は見られなかったが、KOマウスは生後一日以内に死亡した。マウス胎児から線維芽細胞とマクロファージを調整し、更に解析を進めた結果、栄養条件、飢我条件において、KO細胞ではLC3のPE化、ドットの形成が全く検出されず、autophagosomeの形成が完全に阻害されていることを見出した。これらの結果は既に報告されているautophagyの制御遺伝子、Atg5K0マウスやAtg7K0マウスと同様の表現型であった。以上の結果より、Atg16L1がautophagyに必須の制御因子であることが明らかとなった。免疫担当細胞での役割を調べるために胎生肝より細胞を調整し、ガンマ線処理したマウスに移植を行った。今後は、移植を行ったキメラマウスを用いて、自然免疫応答における役割を解析する予定である。 また、共同研究者として、自然免疫応答において重要な役割を果たすことで知られているNF-IL6の研究、IkappaB kinaseを活性化することで知られているNF-kappaB-inducing kinaseの研究に参加した。
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