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2006 年度 実績報告書

社会的スキルとしての対人コミュニケーション認知メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 06J08713
研究機関大阪大学

研究代表者

木村 昌紀  大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード対人コミュニケーション / 行為者・観察者 / 社会的スキル
研究概要

本研究の目的は、対人コミュニケーション認知を学習可能な社会的スキルめ一つとして位置づけ、そのメカニズムを解明することによって、精度の向上を目指すことである。
従来の研究では、情報交換の効率や親密性との関連を探るために、対人コミュニケーションの行為者が主に注目されてきた。しかし、「観察者」として対人コミュニケーションを認知することは、周囲の人間関係を知る上での情報的基礎であり、対人トラブルの予防や対処に影響するため、社会的適応基盤であると考えられる。
本研究では、(1)どのようなコミュニケーションが会話者の満足感や好意をもたらすのか(行為者視点の分析)、(2)どのような手がかりかち観察者が会話者の満足感や好意を判断するのか(観察者視点の分析)、(3)観察者による対人コミュニケーション認知の精度(両視点の統合)、を明らかにするため、(a)会話実験、(b)コミュニケーション特徴の抽出、(c)観察実験という3っめステップを踏んだ後、レンズモデル分析による統合的検討を行った。
本年度の実験の結果、以下の点が明らかになった。まず、話者は、自身の行った会話について高く評価する一方、観察者は、他者の行った会話について低く評価する傾向があった。次に、観察者は活発なコミュニケーションをみると、それがうまくいっていると判断してしまう「表出性ハロー効果」が確認された。さらに、対面交渉能力の高い者は、低い者に比べて、対人コミュニケーション認知の判断精度が高いことが示された。最後に、話者本人は、発話が多く、アダプターが少ないときほど、コミュニケーションがうまくいっていると判断している一方、観察者は発話や笑顔、ジェスチャーを手がかりにして判断していた。
今後は、発話内容を分析することによって、話者と観察者による対人コミュニケーション認知のメカニズムをより精緻化していくことが課題となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Interactional synchrony in conversations about emotional episodes : A measurement by "the between participants pseudosynchrony experimental paradigm".2006

    • 著者名/発表者名
      Masanori Kimura, Ikuo Daibo
    • 雑誌名

      Journal of Nonverbal Behavior 30

      ページ: 115-126

  • [図書] 感情の表出とコミュニケーション(「感情研究の新展開」)2006

    • 著者名/発表者名
      木村昌紀(北村英哉, 木村晴編)
    • 総ページ数
      293
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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