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2007 年度 実績報告書

ナノサイズ系の電子相関象における軌道自由度の物理

研究課題

研究課題/領域番号 06J08881
研究機関大阪大学

研究代表者

阪野 塁  大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード量子ドット / 輸送 / 熱起電力 / 電子相関
研究概要

本研究では、ナノサイズの電子系で様々に形成される電子状態の軌道自由度によって起こる電子相関現象の解明を目的とし、研究を行った。またさらに、これらの電子相関によるナノサイズ系の熱電特性を利用したナノデバイスに関しても研究を行った。
単一量子ドット系の軌道、スピン、電荷による近藤効果と、それによって起こる系の熱電特性の有限温度での特性をダイヤグラム近似法を用いて、また、低温では厳密解や射影演算子による変分法を用いることで解析を行った。これにより量子ドット系の電子相関と熱起電力の関係を明らかにし、さらに性能指数などを導出して議論を行うことで、量子ドット系の熱電バイアスとしての可能性を議論した。そこで、T字結合型量子ドットなどのように量子ドットの配置構造を工夫し量子干渉効果を利用することで強い熱起電力が得られ、新しい熱電デバイスになりうることを指摘した。
また、実験グループと協力しながら、多重量子ドット系の電子相関や輸送について解析を行った。基礎的な解析として、一列に並んだ3重の量子ドット系の両端のドット中の電子に働く超交換相互作用のパラメータに依存性について、摂動論を利用して解析を行った。さらに、この3重量子ドットの近藤効果による輸送の解析を行い超交換相互作用も含めた系のパラメーター依存性について明らかにした。同様に3角形に配置した3重量子ドット系の込んだ王効果のパラメーター依存性や輸送特性についても明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Thermopower of Multiorbital Kondo effect via Single Quantum Dot System at Finite Temperatures2007

    • 著者名/発表者名
      阪野 塁
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 76

      ページ: 074709

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Thermopower of Kondo Effect in Single Quantum Dot Systems with Orbital at Finite Temperatures2007

    • 著者名/発表者名
      阪野 塁
    • 雑誌名

      Physica E 40

      ページ: 273-276

    • 査読あり
  • [学会発表] 量子ドット系の軌道近藤効果による低温での熱電特性2008

    • 著者名/発表者名
      阪野 塁
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-03-24
  • [学会発表] 多重量子ドット系における輸送特性の解析2007

    • 著者名/発表者名
      辻 真人
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] Enhanced thermpower of Kondo effect in side-coupled quantum dot systems2007

    • 著者名/発表者名
      阪野 塁
    • 学会等名
      International Conference on Electronic Properties of Two-dimensional Systems and Modulated Semiconductor Structures
    • 発表場所
      イタリア、ジェノバ
    • 年月日
      2007-07-17

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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