研究概要 |
1,V.harveyi(V.trachuri)のGM4結合タンパク質の単離同定、クローニングおよび、遺伝子変異株の作成 マダイ腸から単離したV.harveyiから二つの方法でGM4(NeuAcα2,3Gal-Cer)結合タンパク質候補を単離した。一方のN末端アミノ酸配列(10アミノ酸残基)はV.parahaemolyticus RIMD2210633のlateral flagellin LafA(E value=0.78)と100%一致した。 2,海洋生物、海水から、有用細菌(乳酸菌など)選択培地により単離し、GM4結合乳酸菌の選別博多湾より、GM4に結合する乳酸菌L.plantarumを2株単離した。 3,V.haraveyiの糖脂質チップを用いたoverlay assay 蛍光標識したV.harveyiはGM4、GT1b、GQ1bに結合した。これらは全て糖鎖に「NeuAcα2,3Gal」の構造を持つ。 4,魚病菌の糖脂質受容体GM4の合成酵素遺伝子のクローニング及び組織での発現 本実験は、申請書年次計画に記載していなかったが、以下の必要性のため新たに行った。魚細胞を用いた感染実験を行う際に、人為的にGM4発現株を作成したい。実験開始時点でGM4合成酵素のクローニングが行われた例はなかったが、本研究室ではゼブラフィッシュからGM3合成酵素(A)のクローニングを終了していた。Aのアミノ酸配列をもとに分子系統樹を作成し、GM4合成酵素候補(B)を選別した。Bをクローニング後、BをCHOP細胞で過剰発現し、細胞破砕液を酵素液とした。アクセプター基質としてGalCerを用いたところ、BはGM4を合成した。
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