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2006 年度 実績報告書

中世・ルネサンス時代における音楽家の社会的身分とその組織構造

研究課題

研究課題/領域番号 06J10074
研究機関東京大学

研究代表者

山本 成生  東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD)

キーワード西洋中世史 / 音楽学 / フランス / カンブレー / 教会 / 聖歌隊 / 音楽家 / 聖職者
研究概要

本研究は、北フランスのカンブレー大聖堂の聖歌隊を素材として、中世・ルネサンス時代における音楽家の社会的身分とその組織構造の解明を目指すものである。
本年度は、これまで一定の成果がある聖歌隊の主要な構成員ではなく、その周辺にいた者たち、ないしは制度的な環境について重点的に調査し、その成果を公表した。
具体的にはまず、平成18年11月に東京大学にて開催された財団法人史学会の大会で、「礼拝堂付き司祭」という下級聖職者身分について口頭報告を行ない、本来「私的聖務」をその存在理由とするこの身分が、教会制度の一部として変容してゆく過程を示した。ついで、12月には聖歌隊の財政基盤についての論じた文章を、『円卓』と題する論文集の一編として出版した。そこでは、従来の研究者が豊潤とみなしていたこの聖歌隊の財政は、じつは15世紀中葉より漸進的に増大したものに過ぎなく、またその過程には様々な制度的な障害が横たわっており、教会当局による音楽保護は必ずしも順風満帆に進んだ訳ではないことを指摘した。
以上の研究成果は主として前述のカンブレー大聖堂を対象したものだが、他の教会との比較検討の必要は当然存在する。そこで、平成19年1月から2.月にかけては渡仏し、パリ、リール、カンブレー、アラス、アミアン、ランス、シャロン=アン=シャンパーニュ、ルアン、エクス=アン=プロヴァンスなどの図書館・文書館にて、資料調査を行なった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 聖歌隊の財政 カンブレー大聖堂下級代理職会計文書の分析2006

    • 著者名/発表者名
      山本成生
    • 雑誌名

      『円卓-古希の堀越孝一を囲む弟子たちの歴史エッセイ集』東洋書林

      ページ: 233-260

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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