研究概要 |
ホウ素欠乏時の根の伸長に重要なWRAKY6のターゲット遺伝子を探索し発見が変化する二十数個の遺伝子を同定した。ホウ素欠乏時に野生株よりも根が長い変異株(LoBT-No.1,No.2,No.3)について解析を進めたところLoBT-No.1は四倍体であった。別に入手した他の四倍体もホウ素欠乏時の根の伸長が向上していたことから、シロイヌナズナの四倍体にの根の伸長はホウ素欠乏時に向上していることを明らかにした。四倍体の生育はほかの栄養欠乏では特に顕著に回復することはないことから、このホウ素欠乏での生育改善は単に四倍体が大きいごとに由来するのではなく、四倍体がホウ素欠乏特異的に生育が改善していることを示している。 Activation-tagged lineやFOX lineのスクリーニングから欠乏体制を与える新たな遺伝子を同定することを第一の目標とし、大規模スクリーニングを行いましたが、目的とするものはえられなかった。多くの栄養素はプロトンとの共輸送で細胞に取り込まれることに着目し、細胞外にプロトンを放出する役割を持っていることが知られているAHAと呼ばれる遺伝子群について、mRNA蓄積を調べたところ、AHA1とAHA2の発現が欠乏で誘導され、AHA4はS欠とN欠で誘導されることを明らかにした。これらの変異株を入手し、生育の特性を調べたところ、ある変異株は萎れやすい性質をもっていることが明らかになった。
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