平成19年度は、3次元シーンのデザイン支援の一環として、我々はimage-based lightingにおける環境マップをデザインするための、簡単で使いやすいユーザ・インタフェースを提案した。提案システムを用いることで、デザイナーは3次元シーンに直接ペイント操作を行うことで、シーンの最終的なレンダリング結果を調整しながら環境マップをデザインすることができる。3次元シーンを、デザイナーが意図したようにレンダリングするための環境マップは、inverse lighting問題を解くことによって求められる。本手法が、3次元シーンの照明デザイン作業に対して、有用でかつ使いやすいということを示した。また、本手法が3次元モデルを写真へ挿入する作業において有用なアプリケーションであることも示した。 また、安価なライトステージシステムの提案、発表も行った。映画やテレビの現場では、クロマキーなどの合成技術を用いて俳優の演技をCGや背景映像と合成することがしばしば行われる。この合成を自然に行うためには、俳優に当てる光とCGや写真の中の光が同じである必要があるが、この目的のためにライトステージと呼ばれるシステムが使用される。このシステムを用いると、演じる俳優に背景映像と同じ光を当てることができ、自然な合成が可能となる。しかし一方で、このシステムは非常に高額であり、一部のプロダクションでしか使用することができなかった。そこで我々はコンビニエンスストアで普通に買える傘と、プロジェクタを使用して開発した、安価なライトステージシステム、"ライトシャワー"、を提案した。
|