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2006 年度 実績報告書

Wntシグナルによる大脳皮質神経系前駆細胞の運命制御メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 06J11322
研究機関東京大学

研究代表者

桑原 篤  東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードWnt / beta-cateninシグナル / 神経系前駆細胞(神経幹細胞) / 大脳新皮質発生 / Mycタンパク質 / 幹細胞の増殖と前駆細胞の増殖 / ニューロン分化 / ガン化
研究概要

本研究の目的は、大脳発生においてWntが神経系前駆細胞の増殖を促進する際の重要な標的遺伝子を明らかにして、さらにWntが神経系前駆細胞に与える作用が胎生早期での増殖から胎生後期でのニューロン分化へと時期依存的に変わるメカニズムを解明することである。
哺乳類の中枢神経系発生において、Wntが胎生期神経系前駆細胞の増殖を促進することはいくつかの系で確認されているが、その増殖において重要な標的遺伝子に関してはわかっていなかった。今回の研究では、Wntの下流で、腫瘍の原因遺伝子として知られるMycが制御されていることを示した。現在この成果をまとめて論文投稿準備中である。ガンと密接な関係があるWntとMycが胎生期の前駆細胞の増殖をも担っているという知見は、幹細胞とガン細胞の類似性を考える上で興味深い。
次の課題として、本研究は組織発生において前駆細胞の増殖期から最終分化する時期へ切り替わるスイッチングに関して検討している。この研究の出発点である、同じWntシグナルに対する神経系前駆細胞の応答が、胎生10日目と胎生13-14日目という短い期間で増殖から最終分化へと劇的に切り替わる現象自体が驚くべきことである。この結果から増殖期から最終分化期への変化が、細胞の内因性の変化である可能性が示唆される。神経系前駆細胞の性質が発生時期によって変わることは今までいくつかの系で確認されているが、そのとき細胞内で起きる現象に関しては未解明な部分が多かった。本研究では、Wntの下流で増殖を促進するMycと最終分化を誘導するNeurogeninという二つの標的遺伝子に注目して、時期により細胞の応答が変化するメカニズムについて具体的な知見を提供することを目指す。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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