研究課題
東京大学MALTにおいて^<36>C1測定の感度及び測定効率を向上させるために、前年度から引き続き加速器質量分析計の加速器のコンディショニングを行った。その結果、加速電圧を定格の5MVで安定して実験を行うことが可能となった。測定の妨害となる^<36>Sを効率良く抑制するために従来の検出器(ΔE-Eガスカウンター)を改良し、複数のΔE信号を得られるようにした。また、得られた複数のシグナルを視覚化、解析するためのソフトウェアめ開発を行った。その結果、新しいシステムでは従来よりも^<36>Sの抑制率が2倍程度に向上することを確認した。南極ドームふじ観測拠点で1990-1996年に掘削された第1期深層コアの深度700mから850mまでの部分の^<10>Beと^<36>C1濃度の測定を東京大学MALTにて開始した。この深度は年代にするとおよそ35-45kyr BPに相当している。これまでの測定では41kyr BP付近に顕著な^<10>Be濃度の増大が見られた。これは過去の地磁気エクスカーションとして知られているラシャンプエクスカーションに対応していると考えられる。ピーク前後の^<10>Be濃度は氷1gあたりおよそ130000-320000 atomsの範囲であった。また、同一試料から測定したδ^<18>Oの結果から降雪堆積速度を見積もり^<10>Be濃度からフラックスを計算したところ、南極ドームCで報告された結果とピークの形がよく一致した。同様に^<36>C1の測定も行ったが、^<10>Beの結果とは異なる位置で濃度の増大が見られた。測定点が少ないため、今後継続して測定することで原因を明らかにしたい。
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B 259
ページ: 144-148
ページ: 36-40