研究課題
2007年6月,スペイン,バルセロナで開催された国際流星会議Meteoroids 2007にて口頭発表を行った。学会での発表表題は、Solar heating effect on meteoroids in meteor showersである。様々な流星群の分光観測から得られたナトリウムの存在度が近日点距離に依存していることが明らかにされた。近日点距離が0.1AU以下の流星群では揮発性物質であるナトリウムの枯渇が示唆されることが明らかにされている。しかし、新たな問題として近日点距離が0.14AUであるふたご座流星群におけるナトリウムの枯渇が解決されていない。最も考えられる可能性として、ふたご座流星群の母天体であるフェートンでの熱的進化が明らかにされた。フェートンの特筆すべき特徴は、彗星から小惑星へと変遷した、いわゆる彗星活動枯渇天体であるということである。近年、その存在は確認され始めている。しかし、物理的特長に関しては、その絶対的な数の少なさと突発的な出現理由からほとんど解明されていない。これまで、そのような天体の軌道的制限を課す事が困難であった。解決手法として、散在流星群に着目した。地球近傍に存在する小惑星には、散在流星群を保持するものがあり、それらは彗星活動枯渇天体である可能性が高い。軌道的特徴から、それらの小惑星を厳選し、ハワイ大学所有の大型口径望遠鏡(2.2m)で表面状態を観測した。その結果、彗星核だけで確認されている、太陽を基準としたカラーよりも非常に赤い特徴をもつ小惑星が確認された。本研究から、散在流星群の軌道力学進化を利用した上での枯渇彗星候補天体サーベイ方法が確立されつつある。
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